1.体毛についての基礎知識
体毛についての基礎知識
普段「ムダ毛」として処理され、邪魔者扱いされる体毛も、本来は生えるのにちゃんとした理由があります。
ここでは、体毛の構造や、どうして体毛が生えるのか、どのような特性があるのかについて説明します。
体毛とは
体毛は、皮膚の細胞が変化したものです。人間の体毛の数は、約500万本といわれておりいます。
皮膚の外にあって普段目に見えている部分を「毛幹」と呼び、皮膚の中にあって目に見えない部分を「毛根」と呼びます。毛幹と毛根の境目、すなわち毛幹が出てくるところが「毛孔(毛穴)」と呼び、毛根の根っこの部分にあたるのが「毛球部」です。
この他に、体毛を構成する組織には、以下のようなものがあります。
毛包:
毛根を包んで保護し、毛の生産を助ける組織を毛包といいます。
毛乳頭:
皮下組織とつながっており、毛球部の一番下の部分にあるのが毛乳頭です。毛乳頭は血管や神経と通じており、毛乳頭の上部に存在する「毛母細胞」に栄養を送っています。
毛母細胞:
毛乳頭から送られる栄養分を受け取り、分裂・増殖を繰り返して髪の毛を生成している部分が毛母細胞です。体毛の色を決定する「メラニン」も、この毛母細胞で作られています。
毛幹の構造
毛幹(一般的に「体毛」、「ムダ毛」などと呼ばれている目に見える部分)は、以下の3つの部分で形成されています。
毛髄質:
毛幹の芯となる部分。脂肪、色素を含んでおり、体温を保持する機能があります。また、体毛の太さはこの毛髄質の量で決まります。
毛皮質:
毛幹の主成分であり、主にたんぱく質で構成されているのが毛皮質です。毛髄質を包むように存在し、この層によって毛の質や色が決まります。
毛小皮:
一般に「キューティクル」と呼ばれる部分です。「ケラチン」と呼ばれる半透明状のタンパク質で構成され、根元から毛先に向かってウロコ状に毛皮質を保護・コーティングしています。
体毛の役割り
ここでは、体毛のもつ本来の役割について説明します。
保温機能:
体の表面から、体温が逃げるのを防ぎます。
しかし、人間は衣類を着るようになった為、保温機能としての機能は退化しているとも言われています。
皮膚の保護:
外部からの物理的な刺激・摩擦から、クッションのように皮膚を保護します。
頭や生殖器など、生き物にとって大切な部分に守るように体毛が生えているのはそのためだといえます。
センサーのような役割:
猫のひげのように、毛に伝わった振動を接触刺激として脳に伝える働きがあります。
紫外線、太陽熱からの保護:
有害な紫外線や、太陽からの熱が直接体表に伝わるのを防いでいます。
毛周期とは
体毛は、「生える」→「伸びる」→「抜ける」というサイクルを繰り返しています。このサイクルを毛周期と呼びます。
サイクルは、体毛の一本一本が異なっています。
例として、頭髪は、2年~5年に1回の割合で生え替わり、約1日0.5mmずつ成長します。脇毛は約1ヶ月~2ヶ月に1回のペースで生え替わり、1日0.1mmずつ成長します。
成長期:
毛母細胞の分裂が始まり、毛球が作られます。そこから新しい毛が生まれ、皮膚の中で成長をはじめます。
成長が進むと体毛が皮膚の表面に出てきます。毛幹は太く長くなります。
もし、この時期に毛母細胞が破壊されると、その後毛は成長できず、生えなくなります。
退行期:
毛母細胞の分裂が停止し、体毛の成長も止まり、抜け落ちる準備を始めます。
毛根が上に押し上げられ、毛乳頭が毛球から離れはじめます。
休止期:
毛乳頭から毛が離れ、抜け落ちます。毛乳頭は活動を休止します。
部位によってこの休止期間は異なりますが、だいたい2ヶ月~1年間の休止期間を経て、再び毛母細胞が分裂をはじめ、新しいサイクルが始まります。
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