豊胸の歴史について

紀元前からはじまった豊胸術
豊胸術の歴史は遡る事数千年、紀元前にはすでに女性の胸を大きくさせる事を目的とした施術が 行なわれていた事が確認されています。
近年では、100年程前から人工の合成物質(パラフィンやワセリン等)の人体(胸部)への注入が行なわれる様になりましたが、注入物質の変性や周囲の組織への影響(硬くなったり、乳房組織の壊死等)が多発し、この方法は見直される事になったのです。その後時代は流れ、幾つかの方法が試行されましたが、どれも満足が得られる様な結果には 至りませんでした。
豊胸の歴史には、「乳房再建術」との密接な関係があります。乳癌により、乳房をやむなく切除した女性への精神的、肉体的なハンデキャップを補う為に、一般の病院等で行なわれる術式です。この乳房再建の初めとされるのが、1893年Czerny(ツエルニィー)という人が行なった患者自身の皮下脂肪腫を利用した乳房再建術だったと云われています。
乳房再建術との関係
乳房再建術で画期的な方法が1960年代に入り考案されます。1964年にcronin(クローニン)と Gerow(ゲロウ)という人が発表した術式で、これが現在でも馴染みのある、シリコンジェルを用いたプロテーゼを乳房の皮下に挿入するものです。当初は皮下への挿入だった為、バッグの周囲に固い皮膜カプセルができ、再建された乳房がゴムまりの様に浮き出てしまったり、組織の壊死が問題になりました。これを改善させる方法として、1968年Dempsey(デンプシー)という人が、皮膜拘縮を予防する事を目的とし、人工プロテーゼを大胸筋の下に挿入する術式を発表しました。
プロテーゼの登場により、乳房再建術は飛躍的にその症例数があがりました。またこうした術式以外にも患者自身の脂肪細胞吸引し、再度胸への注入を行なう術式も1987年に初めて行なわれました。
こうした流れの中で、乳癌等で乳房を切除されていない女性の中に、単に豊胸を目的とした理由でこうしたプロテーゼを使用した豊胸術を希望される方が1980年代後半から日本でも増えてきたのです。
1980年~ ジェルバッグの変化
この頃、シリコンジェルバッグは世界中に広まり、豊胸術インプラントとして長年使用され、その地位を確立していましたが、1992年にこのシリコンジェルに対し、(米)FDA食品医薬品管理局がその安全性を見直し、漏出した場合の人体への影響が種々ある事を示唆しました。こうした見解からその使用を禁止した為に、アメリカと日本ではその後殆ど使用されなくなったのです。
これに代わるものとしてその後広く普及したのが、皆さん良くご存知の生理食塩水バッグです。生理食塩水自体は点滴にも使用されるもので、安全性の面では全く問題はありませんでした。ただ、その食塩水をバッグにして、乳房や大胸筋下に挿入した際の仕上がりには懐疑的な声も多く、乳腺本来の柔らかさや、感触にはやはり遠かったのです。
この間各国ではシリコンジェルに代わるインプラントの開発が盛んに行なわれ、その中から、新たにハイドロジェルという生理食塩水に高分子ポリマーを加えてジェル化したバッグが開発されました。その代表的なものが(仏)アリオン社製のCMCバッグやPIP社製のバイオジェルバッグです。生理食塩水バッグの挿入後の固さを補うものとして1995年頃からヨーロッパ圏で普及しました。しかし(英)MDA医薬品局と(仏)医療製品保健安全公社は2002年に、長期体内に残留した場合の人体への影響と安全性が確認されていないという見解を出し、その後両国でその使用が禁止されたのです。
2000年~ インプラントの開発
2000年代へ入ると、更に画期的なインプラントが開発されます。それが現在の美容外科領域における豊胸インプラントの主役になっているコヒーシブ(凝集性)シリコーンです。
これはシリコンジェル等従来のインプラントの欠点であった、内容物の漏出の危険性を限りなく抑えた構造になっており、シリコーンに特殊な加工を施し凝集性(グミの様な状態)を持たせたものです。
このバッグの登場により、今まで丸い形しか再現出来なかったものが、涙型や左右非対称型などの新しい形状を生み、またそのインプラントの表面加工にも工夫がなされ、乳房挿入後に起こりえる可能性があるカプセル拘縮の予防にもつながりました。外膜は更に進化しミクロ単位で、何層にも分けられ内容物がどんな状態でも漏出しない技術が盛り込まれています。
最先端技術によるインプラント
現在そのインプラントの種類は増えています。バイオセルバッグ、シルテックスバッグ、アシンメトリーバッグ等、最先端技術の向上による開発は目覚しいと言えるでしょう。
人工注入物を直接胸へ注入するしかなかった時代から約1世紀、豊胸インプラントの性能は飛躍的に進歩し安全性の面でも非常に高くなっています。現在国内では数万人の方がこの施術を受けられています。あなたのご友人や知人の方にも豊胸術を受けられている女性がいる可能性はあり、今では決して珍しい施術ではなくなりました。
近い将来、また更に画期的なバッグ技術や術式が開発されるかもしれません。
そうした意味で、今後もその動向から目を離す事はできません。
豊胸についてのご相談は・・・







